名著 ゲームプログラマになる前に覚えておきたい技術
名著.ゲームプログラマになる前に覚えておきたい技術.
ゲームプログラマを目指す人のバイブルといっても過言ではない.
私が手に取ったのはゲーム会社に入る前,専門学校1年生の時(2015年くらい).
この本と,専門学校のサークル活動のおかげでゲーム会社で働けているといっても過言ではない.
今読み返しても得るものがある,ボリューミーで深い一冊である.

この本のターゲット・対象読者
本書の前書きから引用する.
この本が対象とするのは、下の図のようなゾーンにいるプログラマもしくはプログラマになりたい人たちである。
(図省略)
売り物レベルのゲームを作ってみたいとは思うが、最初にどの本を買えば良いのかもわからない。
かといって、手当たり次第にその手の本を買って読むほど気合が入っているわけでもない。
プログラミングを少々かじってはみたが、プログラミング専用の本を読んでも今ひとつピンと来ない。
かといってゲームプログラミングの本は難しすぎて寝てしまう。
そういうゾーンだ。
とある.
しかし,2021年時点での個人的な印象としては,以下が対象読者としては適切かと思っている.
- ゲームエンジンを使わずにゲームを作ってみたい.かつかなり気合が入っている.
- C++についての基礎を勉強してみたが,ゲームを作るのに次は何をすれば良いのかわからない.
に該当する人だ.
この本の大まかな内容
大まかに言うと,2Dの簡単なゲームの基礎から始まり,3Dゲームを完成させるまでに必要となる知識について,網羅的に記してある.
つまり,
- C++ の基礎
- 数学
- ファイルIO
- 簡単な絵の描画
- 音を鳴らす仕組み
- 衝突判定
- 3Dモデルの描画
など.
C++ や数学については別途参考書があると安心できる.
逆に,以下の内容はほぼ含まれていない.
- AI(ゲームAI,パス検索など)
- ネットワーク
- 発展的なグラフィクス(シェーダーなど)
- GUI ツール
など.
これらについては本が一冊書けるレベルなので,別途参考書を買うのが良いだろう.
2021時点でも替えが効かない一冊
刊行されてから月日は経っており(発売日:2008/11/15),情報はやや古いという意見もある.
しかし,2021年時点で,他に替えが効かない一冊となっている.
情報がアップデートされていて,かつこれほどまで懇切丁寧に解説されている日本語で書かれている本は現在でも出ていない.
つまり,同系統の書物としてはこれが最新と言っても良い.
まずはこれを読めばOK
前述したが,個人的にはこの本のターゲットは
「ゲームエンジンを使わずにゲームを作ってみたい.かつかなり気合が入っている.」
だと思っている.
該当する人は,まずはこの本を購入するのが最初の一歩である.
C++ や数学,その他説明しきれない分野についての簡単な説明はあるが,知識が不足していると感じたら,本書から派生する形で別途参考書を購入するのがオススメ.
参考にされたし.
余談
余談だが,著者の平山さんには大変好感が持てる.
本書内外から人柄の良さ,真摯さを感じる.